魂を守る者

2004年11月22日
 案の定、先週の週ベは買うのを忘れてしまったので(泣)気になっている今号のNumberは今のうちにとっとと買っておこうと、思い出したので本屋に入った。
 そしたらNumberより先にSports Yeah!が目に入り、そういえば隈のインタビューが載ってるとか聞いたような、と手に取ってぱらぱらめくってみると小島克典氏の手記が目に飛び込んで来た。それこそblogを読んでいるような(笑)自然体の文章を、思わず読みふけってしまった。ああ、こういう人が今の球界にひとりでも多く関わってくれたら……と夢見てしまう。

「もしかして最も強く変化を求めていたのは、誰であろう球界の現職スタッフだったのかもしれない。」

 その言葉が色濃く胸に染みるのを感じながら、すぐ後ろの隈の記事を読んだ。
 わがままを言っているのは隈自身、充分承知している。自分だけが言って良いことだとも思っていない。だけど隈は、自分が築き上げた自分の野球を潰さないために、最善の道を選びたいだけなのだ。

「ファンを楽しませるのが仕事」

 そのためにはまず、何よりも自分の気持ちに整理をつけない限りは前に進めない。ただそう言っているだけだ。

「……強いチームなら優勝しやすいし、勝ち星もつきやすいでしょう。でも、うらやましいとか、行きたいと思うことは決してありませんでした。僕は近鉄で勝つのが嬉しい。この仲間で力を合わせて優勝し、日本一になりたいと思っていました。」

 繊細にさえ見えるその姿からはおよそ想像しがたい、頑なであるとも言えるほどの強靭な精神力と、自分が守ると決めたものへの揺るぎない思い。
 隈は、自身のサイトで自分の生い立ちについて話していたことがある。他人には窺い知ることのできない痛みを負ってきたのであろう人生。まどか夫人との出会い。家庭を、家族を持つこと。
 飾り気のない言葉で語られたそれらひとつひとつが、納得できないことには決して流されない、今まさに彼が取っている行動そのものを裏付けているように、今となっては思える。

「チーム名が変わっても、中身が変わらなければいい。仲間がバラバラになってしまうのが嫌だったんです。」

 少なくとも、そこには共有できる思いがある。
 それ以上に大事なものなんて、なかったのだ。
 礒部の涙と、岩隈の意思は、同じもの。

 心を伝える言葉には、受け取る側も無条件でこみ上げる思いを感じる。
 隈のおかげで、立ち読みで済ませるつもりが、どうしても隈の言葉を忘れないでおきたくて買ってしまったよ。

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