契約更改に物思う。

2004年12月9日
 横山(F)が3,500だか4,000だか(報道まちまち)を怒りの保留ということで、内輪で話題になった。
 私としては、他球団だけども、同じような年齢でそこそこ出場もしてタイトルなしで同額ぐらいを提示されてる人もいたし、球団内では正田が3,500というのもあるので、もう少し積むのもありなんじゃないかなーとは思った。あくまで感覚的になんだけども。
 でも一応タイトル獲ったわりには印象の薄い査定かもねというのが率直な感想だが、ただ今年の年俸からするとアップ率自体は非常に高いわけで、それを考えると無闇に何千万も上げるのも、もしダメだったとしても下げる時には下げにくいからそれも困るだろうなあというのもありで、結局結論も出ず(笑)
 ちなみに、話をした友人はそれこそ4,000が妥当と踏んでいたようだ。せめてもう1年働いてから言え! と(笑)。それは確かにごもっともで、いろんな人に言えることだったりする。

 それで、上がるのに制限はなくて下げるのには制限があるっていうのも微妙だし、複数年契約ってのもね、って話になった。
 複数年契約はいろんな意味で微妙だと思う。端的に言えば、選手側からしたら「自分を信用してくれるんだったら複数年でいいでしょ」ってことだし、経営側からしたら「複数年働ける保証もないのにそんな大金出せません」てことで、どっちの言い分にも一理はある。
 しかし、「複数年」の「契約」という単純な意味合いからすると、「1年間で解雇することはありません」という保証が「複数年契約」の原点だと思う。もちろんこれは「最低限の条件として」であって、金額の大小ではない。
 ただ、複数年契約を結ぶことができるのは、大きな結果を残してきた一握りの選手。だから年俸もつり上がる。大抵、基本額にインセンティブがついて、基本額より上がることはあっても下がることはない。返上する人もたま〜〜にいるけど。でも、そんな高い年俸でも結果が出なかったから下がるというのは通常、複数年契約ではありえない。これってやっぱりおかしいよね。
 交渉ごとなので、「複数年だけど働けなかったら下げるからね」という条件をそう簡単に選手が呑むはずもない。期待してるから複数年なのになんで下がるわけ? と逆に言われる可能性もあるわけだ。そのせいで選手優位な部分もあるのかも知れないし、逆に単に経営側が丼勘定すぎるというか実績のあまりにスポイルしてしまう結果になっている場合もあるだろう。FAだと特に、経営側にも獲得競争相手がいるわけだから、それを考えたら「働かなかったら下がります」なんて簡単に言えないだろうし。

 ……で、結局何が言いたいのかというと。
 選手側の考える「痛み」というのは何だったのですか?
 ということである。

 経営側はクライアント、選手は仕入先として考えると、普通の企業だったら赤になるような仕事の発注はできない。だったら逆に、恥を忍んでも経営状況を開示して選手に協力を仰ぐようなこともせず、「赤字で当たり前」とか平気で言えるような状態であるという、普通の企業であれば考えられない経営側の根本的な意識改革も当然やらないといけない。
 まあ、そんなことは私が今さら足りない知識でぐだぐだ述べる以前にみんな気づいている。というか、それじゃダメだ、もう背負いきれないということが今年の悲劇の原因のひとつでもあったし。
 ただ、普通の企業ならやってしかるべきなのに今までやっていなかったことを「何故やらなかったのか」考えていかないと、それを断固としてやっていくんだという意思をもって徹底しないと、半端なままではまた元の木阿弥で、どれほど経営が危機であっても選手にもわかってもらえない。そういうことを話し合っていけるような状況を作るのも、それこそ信頼関係だろ? と思う。

 別に経営の味方するわけじゃないけど(笑)経営の論理を振りかざすなら、それがたとえプロスポーツだとしても、不況下で苦しい企業が人件費を削減するのと同様のことがあっていい。そこを無理するから破綻するし、悲劇が起こる。それをファンも理解しないといけないと思うし、選手も理解しないといけない。
 ぶっちゃけ、そんだけ何億も欲しけりゃアメリカ行って貰ってごらんなさいって話(笑)あ、これは以前もした話かな。でも実力の世界って本来ならそういうもんだと思う。至れり尽くせりでプレイができるのは、華やかな舞台に立つ中でもごく一部の最高級のプレイヤーだけだ。
 他のプロスポーツ選手の話を聞いても、スポンサーを集めるのも大変、海外遠征も自分で手配という人たちも多い。でもその人たちはそれでも自分にはそれしかないから、そういう事務仕事だって自分でこなしながらやっていっていたりするのだ。それに比べたら日本のプロ野球選手、恵まれてると思うけどなあ。

 球団は選手がいなきゃ経営できないけど、選手も球団が自分を買ってくれなきゃプレイできないし、ファンも球団と選手があって初めてプロ野球を楽しむことができる。
 人間は我儘だし、自分のことだけ考えようと思えばいくらでもずるくなれる。でも、お互いの損を少しでも少なくするように思いやることはできるだろう。意地悪に言えば、誰かに1人勝ちさせないように牽制し合うのだって、裏を返せばお互いの歩み寄りにもなるさ(笑)

 今は球団の意識も、選手の意識も同様に問われている。
 ファンがその姿勢や方針に、チームに共感するのと同じように共感することができるようになる日は来るのだろうか。

 いちばん怖いのは、喉もと過ぎて熱さを忘れること。

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